第11回 ケアされない子どもたちへさらに支援を

2014年07月10日

子どもたちは、地震・津波の恐怖はもちろん、親や友人との離別など大人でさえ乗り越えるには困難な体験をしてきました。先ごろ河北新報社(宮城県に本社を持つ新聞社)が沿岸部の小中学校を対象に行った調査(※1)では約7割の校長が「自校の児童・生徒に震災の影響と思われる問題がある」と答えています。

小林純子さん(災害子ども支援ネットワークみやぎ代表世話人)は、「震災後3年の間に再就職できたり自宅を建てたりして生活再建できた家庭と、未だに回復できていない家庭の状況はかなり異なり、それが子どもにも反映している」と言います。
震災で受けた心の傷が十分にケアされず、ストレスを溜めている子が多いこと。保護者の傷つき度合いが激しいほど子どもの気持ちは放置されがちなこと。そのなかで大人の様子を伺いながらじっと我慢している子どもたちが多いことを、小林さんは憂います。

また乳幼児へのケア不足も指摘します。「学校や幼稚園・保育園ではスクールカウンセラー、先生方が子どもを支えてきたが、乳幼児はそうした組織的なケアがなかったため、震災体験を強く引きずっている母子がいる」。
なかには母親がうつ状態となったため、震災後に生まれたにも関わらず無表情などのうつ症状が出ている乳幼児の例もあります。「津波や地震を体験しなかったから大丈夫なわけではない。震災の影響は後々まで引き継がれていってしまう。これから10年20年とずっと見守っていくことが必要」と小林さんは訴えます。

震災体験を語り継ぐ一方で、傷ついた心は引き継がないようケアしていく努力が、関係者はもとより周囲のすべての大人に求められているのかも知れません。

  • 1河北新報社が2013年12月宮城県沿岸自治体15市町の公立小中学校245校を対象に実施した調査

情報提供:みやぎ生協

小林さんのイメージ

「子どもたちの心のケアは専門家じゃなくても構わない、家の人や近所のおじさんおばさんなどがよく話を聞いてあげるだけでもいい」と小林さん