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コープで広がる、つながる地域のNPOの活動に学ぶ「チャイルドラインとちぎ」講演より長引くコロナ禍。子どもたちを取り巻く環境は複雑に変化し、いじめや不登校、虐待など悲しいニュースが聞かれます。私たちは子どもたちにどのように向き合ったらよいのでしょうか。「認定NPO法人チャイルドラインとちぎ」の松江比佐子理事長をお招きし、とちぎコープの理事・エリア委員がお話を伺いました。チャイルドラインとちぎ松江比佐子理事長08チャイルドラインとは「チャイルドライン」は、18歳までの子どもが、無料でかけられる電話相談窓口です。「受け手」はチャイルドラインの主催する養成講座を終了したボランティア。全国で2000人、とちぎでは60人が活動しています。子どもたちから寄せられるさまざまな声。学校のこと、家庭のこと、ネットのトラブル、人間関係、自分自身のこと、性について。親にも友達にも言えないこと。無言の電話もたくさんあります。一回、もう一回と無言が続く。「さっきもかけたけど怖くて切ってしまったんだ」と話し出した子もいました。子どもたちとの約束子どもたちの心の居場所に・秘密は守る・名前は言わなくてもいい・どんなことでも一緒に考える・切りたい時は切っていい電話やチャットを受けるにあたっての約束です。問題解決のための具体的なアドバイスをするものではありません。お説教はせず、大人の価値観を押し付けず、とにかく聴きます。電話の向こうの子どもたち「最近とってもつらいんだ」「不安で押しつぶされそう」「本当に腹が立つ」。混乱した状態で自分をぶつけてくる子が多いので、気持ちがほどけるように聴いていきます。ただし「わかる、わかる」は危険です。訓練された受け手でも、自分の体験に置き換えてしまいがち。子どもたちは「何がわかるの?」と離れてしまいます。子ども自身が考えられるよう、そのためにどうしたらいいか考えることが大切です。子どもたちが「素の自分を受け止めてもらえた」という満足感を得て、安心して自分で気持ちを整理することができるように。そして自ら歩みだせるように。仲間とともに声を受け止めるのは大変なことも多いけれど、そのために学ぶことで私たち自身も成長でき、楽しい活動でもあります。時には「こんな嬉しいことがあったよ」と話してくれる子もいて嬉しくなることも。一人ではできないことも仲間がいればできることもある。それはコープの皆さんの活動と一緒ですね。これからも子どもが生きやすい社会の実現に向けて、歩みを進めていきたいと思います。グループワークで交流講演後、グループワークに松江理事長にも参加いただき、意見交換をしました。参加者より「自分の子どもを含め、身近な子どもたちの話をきちんと聴いてあげたい」「子どもたちは大人の現状を反映している。親も豊かな心を持てるように、コープの活動の中でも考えていきたい」などの感想や意見が述べられました。