2024年1月 1日
謹んで新春の祝詞を申し上げます。
とちぎコープは昨年11月に創立50周年を迎えました。これまで支え、育ててくださいました皆さまに深く感謝いたします。今般、「とちぎコープ創立50周年記念誌」を作成するなかで、その歴史的変遷から多くの学びを得ることができました。同時に、次の50年を展望するにあたり、組織の舵取りの難しさや責任の重さなどを痛感いたしました。創立より積み上げられた組合員やお取引先の皆さま、そして地域からの信頼と期待にさらに応えられる組織づくりをこれからもすすめていく所存です。
さて、昨年を振り返りますと、沈静化しない食品価格の高騰、また災害級の夏の猛暑など、食料危機や気候変動危機への懸念を増幅させた年であったように感じています。新型コロナウイルス感染症パンデミック、未だ解決の糸口が見えないロシアのウクライナ侵攻による流通網の寸断、あわせて世界各国で発生する異常気象による甚大な被害などは食料確保および食料生産の脅威となっています。すべからく、持続可能性と安全および安心が十分に担保される「食料安全保障」をより戦略的に強化すべきであり、海外に依存した既存の「フードチェーン」の再構築、調達網の多様化・複線化等の対応は喫緊の課題となっています。その他、昨年に実施されたマスク着用義務の解除や2類から5類への移行措置などの新型コロナウイルス感染症への制約緩和は、以前の日常を取り戻すことを加速させるとともに経済活動が活発化する要因となりました。しかしその一方で、コロナ禍における爪痕は多岐に及んでおり、とりわけ疎遠化した人間関係を背景とした孤立・孤独は、なおも深刻化した現状にあり、"人とひとのつながりづくり"がこれまで以上に求められています。とちぎコープは、「平和とよりよい生活のために」という生協理念のもと、くらしに直結する身近な課題から地球規模での問題にも向き合いながら、組合員のくらしと地域へのお役立ちの向上を目指し、さらにその役割を発揮する一年となりますよう取り組んで参ります。
そして、今年は次の10年において実現したい社会や組織のありたい姿などを描く、「コープデリグループ・ビジョン2035」を策定する年にもなります。組合員と私たち役職員が明るくよりよい未来に向けてともに掲げるビジョンとすべく検討をすすめています。次期通常総代会(6月予定)に提案をさせていただく予定としておりますので、引き続きご意見やご要望などをお寄せいただければと思います。
最後になりましたが、皆さまにとって幸福で充実した一年でありますよう心よりお祈りいたします。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2024年1月1日
とちぎコープ生活協同組合
代表理事 理事長 塚原政雄