とちぎコープ代表理事理事長
塚原 政雄
とちぎコープは1973年に創立されました。組合員のみなさまをはじめ多くの方々に支えられ、来年度には50周年を迎えることとなりました。
創立当初は組合員が中心となり、食の安全や環境保全などのくらしを取り巻く諸問題を自らが解決しようとする自発的な組織として、県内各エリアにおいて活動が始まりました。人とひととのつながりを基本(基盤)として、それぞれの想いや願いを互いに尊重し共感しあいながらすすめられた活動は少しずつ広がりを見せ、くらしと健康を守る組織として地域において生協の存在が高まっていきました。そして、より組合員に地域に貢献できる組織を目指し、三度にわたる組織合同を経て、2021年度において組合員数27万名、県内世帯数組織率は33%、供給高300億円を超える規模となりました。
「変わる経営・変わらぬ理念」が示すとおり、協同組合の理念を揺るがすことなく、これまでの50年の歴史に学びながら、加速する社会的変化にまた多様化するニーズに対応する事業と活動を展開し、生協としての存在価値をより発揮できるよう、引き続き取り組みをすすめます。
人生100年時代の到来と言われています。貧困と格差の助長、コミュニティの衰退と孤立、フレイルの進行など、社会が抱える諸問題が、長期化するコロナ禍でより顕在化し深刻さを増すなかで、ボランタリーセクターとしての協同組合の役割発揮がますます重要になると考えています。
今年度の活動方針において、「生協の事業と活動を通して組合員の想いや願いをかたちにします」また「様々な連携や協働により、だれもが安全に安心してくらせる地域づくりをすすめます」を掲げ、とちぎコープが目指すべき姿・拠り所とする考え方として組織内での共有を図りました。混沌とした現代社会において、連携と協働の必要性はより高まっているように思います。組合員とともに、お取引先(生産者・製造者)とともに、地域(住民の方々・諸団体等)とともに、そして働く仲間とともにの“4つのともに”を大切にしながら、シナジーある事業と活動をすすめます。
今年度も組合員のみなさまの声を大切にしながら、くらしに寄り添う生協、地域に根ざした生協づくりに向けて努力してまいります。
2022年6月
とちぎコープ生活協同組合
代表理事理事長 塚原 政雄